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RECIPE

エルダーベリーシロップ

秋に仕込む、季節の手仕事。

米糀甘酒でつくる、甘さ控えめのシロップと、昔ながらの砂糖仕立て。

TANE のポイント砂糖をたくさん加える代わりに、自家製米糀甘酒の甘みを利用する。
安全に必要な加熱は行う。でも、濃くするためだけに長く煮詰めない。

房のまま摘んだ黒いエルダーベリーの実

なぜ、季節の変わり目にエルダーベリー?

夏の終わりから秋にかけて、深い紫色の実をつけるエルダーベリー。

ヨーロッパでは古くから、果実や花を暮らしの中で利用してきました。
熟した実を煮てシロップにし、寒い季節に備える習慣もその一つです。

18世紀のイギリスには、エルダーベリーを煮詰めた「エルダー・ロブ」を、
のどの痛みや熱のときに飲む家庭のレシピが残っています。※11

秋に仕込まれる理由には、果実の収穫時期と、寒い季節に向けた保存食づくりという二つの背景があります。

エルダーベリーには、紫色の色素であるアントシアニンをはじめ、さまざまなポリフェノールが含まれています。
抗酸化作用などが研究されており、風邪の症状を和らげる可能性も調べられています。※3

ただし、風邪やインフルエンザを確実に予防・治療するものではありません。

TANEのエルダーベリーシロップ

TANEでは、できるだけ素材本来の風味を楽しみたいと考えています。

砂糖をたくさん加える代わりに、自家製米糀甘酒の甘みを利用する方法。
甘味を加えず、果実そのものの濃縮液としてつくる方法。

そして、長期保存を優先するときには、砂糖の保存性を活かした伝統的な方法もあります。

大切なのは、一つの方法を正解にすることではなく、目的に合わせて選ぶことです。

作り方こんなときに甘み保存
01 米糀甘酒のシロップ生の実(乾燥でも)。甘さ控えめ。甘みは、全部に混ぜても、飲むときに合わせても米糀甘酒・メープルなど。無しでも冷蔵2〜3日、または小分け冷凍
02 砂糖仕立てたくさん仕込んで、1年もたせたいグラニュー糖(配合を守る)瓶詰めして常温(ジャム・ゼリーとして)
RECIPE 01

米糀甘酒のシロップ

生の実で(乾燥でも)。煮出した原液に、甘みを混ぜても、混ぜずに取っておいて飲むときに合わせても。少量仕込み・冷蔵または冷凍保存用

材料

材料分量メモ
生のエルダーベリー
(食用に適した完熟果)
200g茎・葉・未熟果は取り除く。
乾燥の実なら 50g・水は 450ml
水400ml
お好みの甘味料合計 0〜80g下の表から。無しでもよい
生レモン飲む直前に適量搾りたて

甘味料は、家庭にあるものを選びます。下記はTANEがよく使うものです。
組み合わせても、甘味料を一切使わなくても構いません。

甘味料目安
自家製米糀甘酒40〜80g
メープルシロップ アガベシロップ10〜30g
ハチミツ10〜25g
甘味料なし0g

※甘酒の濃度や甘さによって量を調整してください。
ここでの甘味料の分量はエルダーベリーの原液にすべて甘味料を加える場合の分量ですので注意してください。
またここに書いていない甘味料でも、分量でも好みで加減してください。

お好みで加えるスパイス

  • シナモンスティック:1/2本
  • 黒胡椒:ホール1〜2粒
  • ターメリック:粉末ひとつまみ〜小さじ1/8
  • 生姜:薄切り1〜2枚

すべてを入れる必要はありません。
まずは1種類から試し、果実の香りとの相性を確かめてみましょう。

私は生姜やクローブを最初からたくさん入れません。
香りが強すぎると、エルダーベリーの風味を感じにくくなるからです。

TANE

作り方

  1. 完熟した食用エルダーベリーから茎・葉・未熟果を完全に取り除き、丁寧に洗います。
  2. 鍋にエルダーベリーと水を入れ、沸騰させてから少なくとも10分間しっかり煮立てます。※2
  3. 火を弱め、さらに10〜20分ほど煮出します。スパイスを使う場合は、この工程で加えても構いません。
  4. 目の細かい濾し器で果実と種、スパイスを取り除きます。
  5. 煮出した液を速やかに冷まします。ここまでが「原液」です。

甘みの足し方は、2つ。どちらでもいい

全部に混ぜてシロップにしてもいいし、原液のまま取っておいて、飲むときに合わせてもいい。

エルダーベリー原液の瓶

① 全部に混ぜる冷めた原液に、好みの甘味料を加えて混ぜる。
清潔な容器に移し、すぐ冷蔵。2〜3日で使い切る。
長く置く分は、小分け冷凍。

自家製の米糀甘酒

② 原液のまま取っておく甘みを混ぜずに、原液のまま小分けして冷凍しておく。
飲む直前に、好きな甘味料を好みの量だけ合わせる。
自分の体調や飲みたい味に合わせて調節することができます。

② には、3つの利点があります。

  • 甘酒やハチミツを、追加で加熱しなくてよい(しないほうが酵素は壊れない)。
  • エルダーベリーの原液を、長時間煮詰める必要がない。
  • 家族それぞれが、甘みを調節できる。

毎回同じ甘さにするのではなく、その日の体調や好みに合わせて選べる。
この考え方はTANEによく合います。

飲むときに

水や炭酸水などで好みの濃さに割り、搾りたてのレモンを加えます。
② なら、ここで甘酒やメープルを好みの量だけ。

原液を割った一杯と、瓶
飲むときに、好みの濃さに。

TANEの工夫

米糀甘酒は、冷ましてから加えることで、残っている糀由来の酵素の追加的な熱失活を避けられます。

ただし、甘酒の酵素量は作り方によって変わります。

さらに素材をシンプルに楽しみたい場合は、エルダーベリーの濃縮液だけを冷凍保存しておき、飲む直前に甘酒を合わせるのもおすすめです。(上の ②)

※甘酒を混ぜた完成品は、4℃以下で冷蔵し、2〜3日以内を保守的な使い切り目安にしてください。
これは検査済みの消費期限ではありません。

保存について

甘酒を加えた低糖シロップは、伝統的な高糖度シロップと同じ保存性は期待できません。
清潔な容器に入れ、すぐ冷蔵し、家庭では2〜3日程度を目安に早めに使い切るか、小分け冷凍をおすすめします。
この日数は安全性が試験された期限ではありません。

エルダーベリーは品種によって酸性度が異なり、常温保存用の瓶詰めには注意が必要です。
レモンを少し加えるだけで常温保存できるとは考えないでください。※10

鍋の中で煮立つエルダーベリー
沸騰させてから、少なくとも10分。
RECIPE 02

昔ながらの砂糖仕立て

長期保存を優先した、高糖度のエルダーベリー。瓶詰めして常温に置く

果実を砂糖と煮詰める方法は、ヨーロッパでも受け継がれてきた保存の知恵です。

砂糖は甘さをつけるだけではありません。
十分な濃度で加えることで、微生物が利用できる水分を減らし、保存性を高める役割があります。

ただし、常温保存には砂糖の量だけでなく、果実の種類と瓶詰め方法も重要です。

以下はオレゴン州立大学の家庭保存用配合に基づく、高糖度の方法です。※1

見極め:この配合で常温保存できると検証されているのは「ジャム・ゼリー」の形。
アメリカ系・ヨーロッパ系の実を「シロップ」の形で常温保存できると確かめられた配合は、オレゴン州立大学の資料には無い(あるのはブルーエルダーベリーだけ)。
シロップとして使いたい分は、冷凍で保存する。※1

材料

材料分量
安全に加熱して濾したエルダーベリー果汁454g(16 oz)
グラニュー糖553g以上(19.5 oz)

※この配合では、重量比を必ず守ります。
砂糖を減らしたり、蜂蜜・メープル・アガベ・甘酒に置き換えたりしないでください。※1

作り方と保存

  1. 完熟果を下処理して十分に加熱し、果実・種を濾して果汁を用意します。果汁を454g正確に量ります。
  2. 果汁とグラニュー糖553g以上を鍋に入れ、ゆっくり沸騰させ、砂糖を完全に溶かします。ジャムにする場合は、適切なゲル化点まで加熱します。
  3. 洗って温めておいた保存瓶に、熱いうちに詰めます。上部に約6mm(1/4インチ)の空間を残し、蓋を取り付けます。
  4. 大きな鍋にお湯を沸かし、蓋をした瓶を立てて沈めます。瓶の上まで水が3cm以上かぶるように。
    ぐらぐら沸いてから、下の時間だけ煮ます。ここでは圧力鍋を使わない方法を紹介しています。※15
標高処理時間
海抜 300m くらいまで(1,000フィート以下)5分
300m 〜 1,800m(6,000フィートまで)10分
1,800m より高い所15分

途中で沸騰が止まったら、もう一度ぐらぐら沸かして、時間を最初から数え直します。
時間がきたら火を止め、5分待ってから瓶を取り出し、タオルの上で12〜24時間さわらずに冷まします。※15

湯煎が10分未満のときは、瓶を先に10分煮て殺菌してから詰めます。
湯煎を10分にすれば、その手間はいりません(瓶は洗って温めておくだけ)。※14

「検証済みの手順」とは →

大学や USDA(アメリカ農務省)の研究室で、その配合と手順で作った瓶を実際に測って、常温で置いても安全だと確かめたもの。
測るのは、酸の強さ(pH)と、瓶の中まで熱が通る時間。
足りないとボツリヌス菌の毒ができることがあり、味も見た目も変わらないので分からない。
だから「砂糖を減らさない」「時間を守る」が付いてくる。※14

十分に冷まして密封を確認し、冷暗所に保存します。
品質を保つ目安は1年以内。※12開封後は冷蔵してください。

この方法では、スパイスや甘酒を保存前に加えず、飲む直前に好みで加えることをおすすめします。

※エルダーベリーの種類によって、安全な瓶詰めレシピが異なります。
野生のブルーエルダーベリーと、ヨーロッパ系・アメリカ系のエルダーベリーを混同しないことが重要です。※1

瓶に詰めた砂糖仕立てのエルダーベリー
砂糖で煮た、とろりとした仕立て。

米糀甘酒を煮詰めると何が起こる?

米糀甘酒は、糀菌の酵素が米のでんぷんを分解して糖をつくった食品です。
発酵によって、ブドウ糖やオリゴ糖などが生まれています。※7

成分煮詰めたときの変化
ブドウ糖基本的に残る。水分が減ると甘みが濃くなる
オリゴ糖多くは残るが、加熱条件で一部変化する可能性
酵素熱で働きが弱まり、失活する
アミノ酸残るものも多いが、糖との褐変反応にも使われる
ビタミン類熱に弱いものは減少する可能性
香り・風味長時間の加熱で色が濃くなり、香ばしさや加熱臭が出る

つまり、煮詰めても甘酒の甘みや栄養がすべて失われるわけではありません。
ただし、酵素の働きや風味は変化します。

甘酒をつくる際の糖化については、50〜60℃前後が効率の良い温度帯だという研究があります。※7

ここで大切なのは、甘酒の酵素が活性を保っていることと、食べた人の健康効果が高いことは同義ではない、という点です。

エルダーベリーは、加熱しなければいけない

エルダーベリーの注目成分は、紫色の色素でもあるアントシアニンと、その他のポリフェノールです。

しかし、生のエルダーベリーには有害なシアン配糖体(体の中で青酸を出す成分)が含まれるため、安全な加熱処理が必要です。
未熟果・葉・茎は使いません。※2

問題は、長時間の加熱でアントシアニンが減少すること。

ある実験では、熟した実の抽出液を沸騰した湯で温めると、アントシアニンは10分で約3%、20分で約2割、40分で約7割、減りました。
これは試験管の中の抽出液の結果であり、家庭で作るシロップにそのまま当てはまる数値ではありません。※8

そのため、TANEでは次の考え方を採用したいです。

安全に必要な加熱は行う。でも、濃くするためだけに長く煮詰めない。

TANEがする甘味料の選び方

甘味料良いところ気をつけたいところ
米糀甘酒米由来のやわらかな甘み、うまみ、自然なとろみブドウ糖が多く、糖質ゼロではない
メープルシロップ少量で甘みがつき、果実の酸味とも合わせやすい主成分は糖。入れすぎるとメープルが主役になる
アガベシロップ甘味が強く、比較的少量で甘さを調節できる果糖が多いものが多く、血糖値への影響が比較的小さくても健康上優れるとは限らない
蜂蜜花由来の複雑な風味加熱や保存によって成分が変化する
蜂蜜を熱すると毒になる? くわしくは →

これはアーユルヴェーダなどの伝統的な考え方にもあります。

科学的には、蜂蜜の長時間の加熱でHMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)という成分が増えることが知られています。※9

ただし、普通に加熱した蜂蜜が、そのまま人体にとって毒になると証明されているわけではありません。HMFはパンや果汁などの加熱食品にも存在します。

加熱してしまうと、生ハチミツにある酵素が壊れてしまうことがあるため、そういう意味でも加熱はお勧めしていません。※16

シナモン、黒胡椒、ターメリックを加える理由

スパイスを加えると、香りが豊かになるだけでなく、
昔から食や民間療法の中で利用されてきた植物について知るきっかけにもなります。

素材伝統的な利用・一般的に注目される働きTANEでの使い方
シナモン温かみのある香り。血糖調節や抗酸化成分について研究されているが、健康効果は未確立※4甘酸っぱさを丸くする
黒胡椒ピペリンを含み、クルクミンの吸収への影響が研究されている※13ごく少量で味に奥行きを出す
ターメリッククルクミンの抗酸化・抗炎症作用などが研究されているが、臨床での効果は確かめられていない※5土のような香りとほのかな苦味を加える
生姜伝統的に冷えや消化の不快感に用いられてきた香りとほどよい辛味を加える

黒胡椒とターメリックは、一緒に使うことでクルクミンの吸収が高まるという研究があります。※13
ただし、研究で使われる高用量の抽出物と、家庭で加えるひとつまみのスパイスは同じではありません。

スパイスは、まず料理の香りと味を楽しむものとして考えましょう。

日常の食事に使う少量を基本にし、薬の服用中や肝臓の病気がある方、妊娠中の方などは、
濃縮したハーブ製品や多量の使用に注意が必要です。※5

栄養面で、本当に相乗効果がある?

ここは慎重に考えたいところです。

エルダーベリーのアントシアニン、米糀甘酒のブドウ糖やオリゴ糖を組み合わせること自体に、
特別な有害な食べ合わせは知られていません。

しかし、この組み合わせによって抗酸化作用や免疫への働きが強くなると示した十分なヒト研究もありません。

エルダーベリー自体も、風邪などの症状を軽くする可能性を示した予備的な研究はありますが、
確実な予防・治療効果が確立しているわけではありません。※3

TANEとして大切にしたいのは、「免疫力が上がる魔法のシロップ」という説明ではなく、
素材の特性を知り、安全に、無理なく暮らしに取り入れることだと思います。

乾燥エルダーベリーと、シナモン・八角
乾燥の実と、スパイス。まずは1種類から。
見極めポイント

安全に楽しむために

  • 野生の実:種類を見分けられるものだけ。「野生だから安全」ではない。
  • 使う部分:熟した実だけ。未熟の実・茎・葉は外し、生の実と果汁は火を通してから。※2
  • ニワトコの種類:日本には赤い実のニワトコがある。このレシピは黒い実(ブラックエルダーベリー)。赤い実は使わない。※6※1
  • 置き場所:甘さ控えめの自家製は、冷蔵か冷凍。常温には置かない。
  • 立ち位置:これは食べもの。風邪やインフルエンザの予防・治療の代わりではない。※3

日本にもあった、季節に備える飲み物

エルダーベリーシロップは、日本ではそれほど馴染みのあるものではありません。

しかし、日本でも季節の変わり目や寒い時期に、
身近な植物や食材を使った飲み物が親しまれてきました。

これらはエルダーベリーと同じ効能を持つという意味ではありません。
それぞれの土地で手に入る植物を使い、季節の暮らしに取り入れてきた例です。

土地が違えば、知恵の形も変わる

ヨーロッパのエルダーベリー。
日本の生姜や葛、金柑。

使う植物は違っても、その季節に手に入るものを、保存したり、温めたり、家族のために用意したりしてきました。

TANEが大切にしたいのは、昔の方法をそのまま再現することだけではありません。

なぜ、その方法が生まれたのだろう。
わが家では、どう使うのがよいのだろう。

そんな問いを持ちながら、先人の知恵を、今の暮らしに合わせて選んでいくことです。

生と乾燥でどう違うか・土用に作る理由は 土用のページに。ほかの作り方は レシピの棚へ。

出どころ(16)
  1. ※1Oregon State University Extension, EM 9446 Play it safe when preserving elderberries。高糖度のジャム・ゼリー(果汁・果肉 16 oz:砂糖 19.5 oz、重量で量る、蜂蜜に置き換えない、1/4インチの空間、1,000ft以下 5分/1,001〜6,000ft 10分/6,000ft超 15分、5分待つ、1,000ft以下は瓶を10分煮沸)。シロップの常温瓶詰めはブルーエルダーベリーのみ。アメリカ系は低酸(pH が安定して4.6未満にならない)、ヨーロッパ系はアメリカ系と区別しにくいのでアメリカ系の高糖度レシピを使う。赤い実(Sambucus racemosa)は食品にしない
  2. ※2University of Minnesota Extension Elderberries the safe way。加熱の必要・茎と葉を除く
  3. ※3NIH NCCIH Elderberry(2024年11月更新)。研究は少数・生の実の毒性
  4. ※4NIH NCCIH Cinnamon
  5. ※5NIH NCCIH Turmeric
  6. ※6日本薬学会 ニワトコ
  7. ※7Oguro Y., Nakamura A., Kurahashi A. (2019) Effect of temperature on saccharification and oligosaccharide production efficiency in koji amazake. Journal of Bioscience and Bioengineering 127(5): 570–574(PubMed 30414826)。ブドウ糖は50℃で最大、オリゴ糖は50〜60℃で最大。糖化の実験で、人は飲んでいない。著者3人と資金は八海醸造(糀甘酒を作って売っている会社)。ここで使っているのは温度の数字だけ
  8. ※8Lectin Digestibility and Stability of Elderberry Antioxidants to Heat Treatment In Vitro, Molecules 2017, 22(1), 95。スペイン(バリャドリッド大学・マドリード・コンプルテンセ大学)の試験管の実験。人は飲んでいない。レオン県の野生の実の抽出液を沸騰した湯で 0・10・20・40・80分(各3回)。熟した実の総アントシアニンは 10分で約3%減、20分で約2割減、40分で約7割減、80分で約85%減(表1:2704→2626→2185→746→405 µg/g)。要旨には「20分まで10%以内」、本文には「40分で9割以上」とあるが、ここでは表1の数字で書いた。5〜10分の加熱でレクチン(アレルギーに関わるたんぱく質)は消化酵素で分解されるようになる。資金:バリャドリッド大学の学内助成(UVa-GIR)とコンプルテンセ大学の研究グループ。企業の資金の記載なし。利益相反なしと明記
  9. ※9Investigating 5-hydroxymethylfurfural formation kinetic and antioxidant activity in heat treated honey from different floral sources, Journal of Food Measurement and Characterization 2018(記録)。トルコ・カラデニズ工科大学の研究。3種類の蜂蜜(栗の蜂蜜など)を 50・70・80℃ で最長48時間。HMF は熱で増え、栗の蜂蜜でいちばん増えた。人への害はこの研究では扱っていない。資金の記載は見つからなかった
  10. ※10University of Maine Cooperative Extension Extension updates about safe preservation of peaches, elderberries(USDAの調べでエルダーベリーと果汁は低酸。ほかのベリーで検証したレシピには使えない)/University of Missouri Extension HES141(12系統の平均 pH 4.92。安全な瓶詰めの上限は 4.60。レモンなど酸を足す量は研究されていない。冷凍を勧める)
  11. ※11Foods of England Elder Rob。1778年8月25日 Manchester Mercury の「エルダー・ロブ」のレシピ(Mary Eaton 1822年の料理書に再録)。のどの痛み・熱に、とある
  12. ※12USDA/National Center for Home Food Preservation の目安「1年以内に使う」は品質のため(安全の期限ではない)。University of Tennessee Extension の資料
  13. ※13Shoba G. ほか (1998) Influence of piperine on the pharmacokinetics of curcumin in animals and human volunteers. Planta Medica 64(4): 353–356(PubMed 9619120)。人では20人の小さな試験(1回飲んだだけ)と、ラット。クルクミン単独では血中にほとんど検出されず、ピペリン20mgを足すと大きく上がった。著者はバンガロールの医科大学と、ピペリンの製品を作る会社(Sami Chemicals & Extracts)の研究者。資金の記載は確かめられなかった
  14. ※14National Center for Home Food Preservation(ジョージア大学)Sterilization of Empty Jars/Do I need to pre-sterilize my jars?。湯煎10分未満のジャム・ゼリー・漬物は瓶を10分煮て殺菌(1,000ftごとに1分足す)。10分以上なら洗って温めるだけ。5分を10分にすれば事前殺菌はいらない。「検証済み」の意味は Penn State Extension Botulism: a deadly concern(研究室で pH と熱の通りを測る)
  15. ※15National Center for Home Food Preservation Using Boiling Water Canners。瓶の上まで水が1インチ(約2.5cm)以上。ぐらぐら沸いてから時間を数える。沸騰が止まったら最初から。火を止めて5分待つ。12〜24時間さわらずに冷ます
  16. ※16蜂蜜の酵素と熱:インド・ケララ農業大学の研究(2025年)。生の蜂蜜を種類ごとに5検体、インドミツバチの蜂蜜を 30・60・90・120℃ で加熱し、ジアスターゼ・インベルターゼ・グルコースオキシダーゼ・カタラーゼを測った(Indian Journal of Natural Products and Resources)。熱で酵素の働きが落ち、120℃ではほぼ失われた。大学の研究で、利益相反なしと明記。資金の記載は見つからなかった/インドネシアの研究者(2023年)。東ジャワの1つの養蜂場のクランチェン蜂蜜(Tetragonula laeviceps)5kgを3つに分け、40℃48時間・70℃7時間で加熱して、0・12・24か月後に測った(各3回)(Agronomía Mesoamericana)。高い温度で短く熱するほうが、酵素の減りが大きかった。資金の記載なし。※ 酵素が残ることと、体に効き目があることは、別のこと。どちらも人が飲んで調べた研究ではない